3月3日、桃の節句。僕は男だけど、これは僕の愛蔵の雛人形。
この雛人形と出逢ったのは僕が20歳の頃。旧中山道の宿場町として今もその街並みが保存される馬籠宿に行った時のことだった。あるお店の片隅におかれたガラスケースの中に素朴な陶人形を見つけた。おかっぱ頭の童が脚を伸ばして、ちょこんと座った姿のもので、手の平にのるような小さな
陶器の人形だった。一目見て気に入った。その陶人形も「連れて帰って」と言っているように思えて迷うことなく買ってしまった。値段は忘れてしまったが、学生だった僕が買えたくらいだからそんな高くはなかったと思う。
家に帰って、両親に見せると、その独特の風合いが良いとすっかり両親が気に入ってしまった。
それから数ヶ月たったある週末、出かけていた両親が嬉しそうに帰ってきた。両親は、僕の連れてきた陶人形の窯元を探しだして、二人で行ってきたという。僕が見つけてきた楽しみを先取りされたw
しばらくして岐阜県多治見の虎渓山近くにあったその窯元を両親と一緒に訪ねた。日用雑器を生産する窯元だった。そこの奥さんが、仕事の片手間に趣味のようにつくった人形で釉薬は鬼板というものだなどということを聞いた。今からもう20年以上前のことだ。
この雛人形はその時に出会い、両親が買ってくれたもの。
我が家の雛人形は、「僕の」愛蔵の雛人形である。
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